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たまにRapunzelや何かを書きます…多分。

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薄氷の舞台-第2章3
前の回をまだ読んでない方のためにMORE機能
(最初の数行以外はクリックしないと開かない機能)で書いていきます。

では、おつきあいよろしく御願いします。
なお、内容はかなりシビアです。(シビアにどんどんなっていきますw)

読みたい方だけMOREをクリックして読んでください。
読んで不快になっても私は責任は負いません。

*なおもちろんですが、転載禁止です。

*なお反応なくて寂しいwやっぱおもしろくないのでしょうかw
*そろそろ逃亡してもよろしゅうございますか?(まてw

薄氷の舞台-第2章3



「本当なのね…?」黙々とシチューを食べていたパトリシアが顔をあげて、ドリスに問いかける。みんな答えは聞きたくない。しかしそれでも聞かなくてはならない。

「本当よ…五人でみたのよ…」目を閉じ、思い出したくない風景が頭をよぎったのか、頭を一度ふり、かみしめるように答えるドリス。

「…みなでみてみるか。腹ごしらえをしたら、蒼薔薇をそれぞれの目で確かめて、その後村長の残したものをみよう…」とルートヴィッヒが提案をした。


「…………………………………………」


誰も何も答えないが、同意しているのは明かであった。いや、それ以外に道はないのだ。

情報を得ること、その目で今起きていることを確かめ、受け入れることしかできないのだ。そして、この村の呪われた歴史を紐解き、贖罪の時が来たことを知り、その時に生きていることを嘆き哀しみ、またやることがあることへ刹那の快楽と意味を覚えるのであろう。

「蒼薔薇が咲いても禍々しいと感じる理由がよく分かったよ。呪われた花の意味が、ね。」
ふいにコンラッドが呟いた。答える者はいないが、コンラッドは続ける。

「蒼薔薇は何かの予兆であり、目覚めなんだ…きっと」
「コンラッド…今は推測より情報を得ることと、考えるために必要なエネルギーをえることが先よ。私たちは“生きているのだから”」レイチェルの冷静な声がぴしゃりと響いた。いや、冷静というよりも、冷たく感情の無いまるで機械のような声…否、機械ですらもここまでは冷たくないであろうという絶対零度の声であった。

「私たちは生きている。そしてこれからも生きていく。そのためには、情報が必要なの。そして何故こうなったのかを知ることが必要不可欠なのよ。ルートヴィッヒさんの言うとおり、私たちはまず状況を全員が自分自身の目で確認をすること、そして“村長”が残した記録を読み、この村がどうしてこうやって外界から遮断された状態で生きていなければならないのかを話し合わないといけないわ。全てはそれからよ。」まるで用意していたかのように、レイチェルは一気に言葉を紡ぎ出した。

「まずは食べなさい。そしてそれがこれからの私たちの気力を支えるのだから」沈黙していたイヴリーンがコンラッドにシチューを手渡し、食べるように促した。こうして話はうち切られた。

気まずい雰囲気のまま、それぞれがそれぞれの心の中に沈み、何かを考えながら食事に集中した。フェリックスは妻のあまりにも冷静な態度に何かの恐怖を感じながらも、何も言わなかった。

(レイチェルはきっと何かを知っている。でも、それはきっとレイチェルにとって良くないことだ。…かなりね。そしてたぶん僕にとっても、だ。)フェリックスは心の中で呟く。誰にもその心の動きは見えない。見えないはずであった。

(ふふ…私の夢がこうして現実になるなんてね。待っていなさい。“二人”とも。きっと今死への恐怖で脅えているのでしょうね。私はその時が来るのを今とても楽しみにしているのよ。仲間の二人には悪いけれど、あの二人は私が頂くわ。他のは好きなように喰らって構わないけどね。あの二人だけは譲らないわ。どんな顔で貴女はその時を迎えるのかしら?ねぇ、レイチェル・クロムウェル?…そういえば、貴方はどんな顔をしていたのかしらね。あの時、あの瞬間の“お父様”…。お父様が死んだのは悲しいけれども、好都合ではあったわね。気がついて喰ったのかしら。夜に聞いてみましょう…ふふ…ふふふ。)

(昨日流れ落ちた星は村長の守り星だったのか…。物心ついた時から持っていたこの星の中に“軌道”をみる力がこうして意味を持つとは思わなかった…。奇異な力であるため、今まで誰にも言わなかったが…私にはこの村の“人”が死ぬと星空から、その人の守り星が流れ落ち、消えてしまうから人の死が分かる…。人以外のものには守り星はないから、人が死んだことしかわからないが…何かこの力が意味をなす予感がする。)

(これから僕が本当に欲しいものを得るための戦いが始まる。そうさ、僕は君たちのために動くよ。僕が欲しいものと君たちが欲しいものは一緒さ。血に染まる時を待ち、僕は手に入れる。そして、ようやく歩くんだ。自分の道を。もうすぐもうすぐ手に入れられる。)

(ら・ら・りりら…ららりりら…始まる始まる。ゲームが始まる。誰のゲーム?誰のものでもないゲーム、ううん、このゲームを見ているたった一人の観客のためのゲームだよ。そう悪趣味な観客のためのゲームさ。主演は誰だっけね。ら・ら・りりら…さ、もうすぐ幕は上がる。氷雪のカスタネットを打ち鳴らし、吹雪のコントラバスは低く重く音を紡ぎ、積雪のフルートが高く澄んだ悲鳴を吹き鳴らす。ら・ら・りりら…ヴァイオリンは紅に染まる。弦は断ち切られ、もう音は鳴らない。ら・ら・りりら…。ああ、主演は私だったか。ら・ら・りりら…。さあ、私に力を、人狼に死を…ら・ら・りりら…)

いくつもの心の声が渦巻いていた。こうして、みな会話もなくただ静謐に食事を終えた。
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by cafestar | 2005-05-30 00:26 | 薄氷の舞台
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CafestarのAdmin@エヴァンゼリンが書き綴りまする。時に日常、寓話、映画…と徒然なるままに。
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