気が向いたときに書く短文小説。
だからラプンツェル(? 珍しくタイトル先行型…さてはて。 書きたくて書いているだけなんで、批判意見いりませんw 狂える歌姫 またきこえる。あの唄が。 耳を塞いでもきこえてくる。 塔の最上階に閉じこめられているあの姫が唄っている。 何のために唄っているのだろう。塔へは誰も来ないというのに。 誰もあの穢れた姫のもとへはいかないというのに。 窓から空をみつめ、そして大地に目を落とす。 私はこの塔に物心ついた頃から居る。 それより前からいるかどうかは記憶に無いから定かではない。 今日も扉の向こうから食事と本、そして裁縫の道具のみが差し入れられる。 人がおいていったのかどうかも分からないように何時もドアの下にある小さな 扉から「カタッ」と音をたてて、届けられる。 たまに洋服や小間物が届けられる時もある。 その時も誰の気配も無く届けられる。 独りでいると、声を発する必要も無く、ただぼんやりと時は流れていく。 何時からか唄を唄うようになった。 唄と言っても私は何も唄というものをしらない。 ただ想った言の葉を口から紡ぎ、空を飛ぶ鳥たちの声を伴奏に唄う。 ずいぶん昔に差し入れられた竪琴をつま弾き、唄う時もある。 唄うと私は「独り」ではなくなるということに気がついた。 話すことは独り言でも、唄うのに相手はいらないから。 何時しか唄うことが私のすべてとなった。 裁縫の道具も本も手に取ることはなく、食事すらおざなりになって 竪琴を抱きかかえるように保ち、窓辺に座って唄い続ける。 疲れた頃に日は沈み、気がついたらうたた寝をしている。 そんな毎日をただ繰り返す。 そして、また唄う。 一本の銀の針がありました
by cafestar
| 2005-09-27 23:59
| ラプンツェル
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