のんびりとそして音沙汰無く一気に更新するのが
なんとも期待を裏切りつつも、裏切らないようで好きな私(ヲイ 前の回をまだ読んでない方のためにMORE機能 (最初の数行以外はクリックしないと開かない機能)で書いていきます。 では、おつきあいよろしく御願いします。 なお、内容はかなりシビアです。 読みたい方だけMOREをクリックして読んでください。 読んで不快になっても私は責任は負いません。 *なおもちろんですが、転載禁止です。 薄氷の舞台-第1章2 暗闇の中で幽かな夢をレイチェルは見ていた。 朧気に覚えている母の脅えている様子…どうしてママが脅えているのか分からなかった。日に日にやつれていくママはそれでも相変わらず私に優しかった。…死ぬ前の日まで。あの日、私に言ったことはよく覚えている。 「レイチェル、お母さんが今から言うことをよく聞いて…貴方はお父様の御子じゃありません。貴方にこの村の呪われた血は流れていないの。」 この一言と、封蝋をした一通の手紙を私に残して、ママは消えた。そして翌日に凍死した状態で見つかった。私は手紙を誰にも見せなかった。もちろん父…村長にさえも。 こうして血が繋がってはいないことが分かった。しかし、村長自身は薄々分かっているような節はあっても、相変わらず私に娘として接してくれた…。そしてそれが私を一層よそよそしくさせた。辛くなった私は、町中の音楽学校へ通うことを村長へ懇願し、金銭的に非常に余裕のあるこの村だからこそできたことではあるだろうが、それは受け入れられ、私は十二歳から十八歳までを、町の音楽学校と寮、そして明るい雰囲気の町で過ごした。 そこで出会ったのが、フェリックス…フェリックス・クロムウェル、彼は音楽学校のハイクラスの学生だった。私より四つ上で優しく、私が村出身だからと言って卑下するようなこともなく常に誠実に接してくれた。そして私は自然と惹かれていった。 私が村へ帰らなくてはいけなくなった時に、彼が私に 「君と一緒に村へ行きたい。君と一緒にいたいんだ」 と言ってくれた。そして今も私の側に…。 フェリックス…ねぇ?もしこんな事にならなかったら伝えたいことがあったの。 ママの手紙の封蝋も開けなくて良かったのならどんなに嬉しかっただろう。 父はどうして死んだのだろう。そして私の本当のパパは誰だったのだろう? 血が繋がらないけれども、やっぱり村長は私の父だったのだろう。 レイチェルは夢の中で、一粒の涙を零し、ゆっくりと現実の光に向かって歩き出した。
by cafestar
| 2005-03-13 22:31
| 薄氷の舞台
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